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Management Column「通報したら不利になる?」法改正で変わる内部通報制度

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産地偽装、原材料偽装・消費期限などの食品偽装やリコール情報の未公表、不正な保険金請求など、生活の安全・安心を損なう不祥事は、事業者内部の労働者等からの通報をきっかけに明らかになることが少なくありません。そのような通報を相談できる仕組みが、「内部通報制度」で、企業内の不正を早期に発見・是正して企業と従業員を守るための制度です。
しかし「通報したら報復されるのでは」「評価に響くかもしれない」といった不安から、声を上げることをためらうケースもあります。そんな中、2025年に公益通報者保護法が改正されました。
通報者の保護がより強化され、制度の実効性を高める方向へ整理が進みました。今回は、内部通報制度の基本と法改正の要点を、解説します。

1.内部通報制度とは

内部通報制度とは、企業や組織の中で起きている不正・法令違反の疑いを、従業員や役員などが社内の窓口に通報・相談できる仕組みです。通報を受けた組織は、事実関係を調査し、必要に応じて是正や再発防止に取り組みます。
公益通報者保護法により従業員数が301人以上の企業・団体等に対して、内部通報制度の整備が義務付けられています。300人以下の事業者についても、制度整備に努めることが求められています。対象は民間企業に限らず、公益法人、協同組合、NPO、個人事業主、地方公共団体、国の行政機関など幅広い組織が含まれます。
なお、体制整備が不十分な場合には、所管官庁等による助言・指導などの対象となり、状況によっては企業名が公表される可能性もあります。

2.公益通報者保護法の改正

公益通報者保護法は、企業不正を早期に把握し是正につなげるために、通報者を守る枠組みを定めた法律です。
今回の改正は、近年、事業者側の対応状況や、国内外での通報者保護の潮流を踏まえ、2025年6月に改正、2026年12月1日に施行されます。内部通報制度を「形だけ」にしないために、実効性と通報者保護を大きく強化する内容になっており、主なポイントは次の4点です。

■1:体制整備の徹底と実効性の向上
従業員数が301人以上の企業などには、内部通報の受付・調査・是正を担う公益通報対応業務従事者(従事者)を指定する義務があります。
これまで違反した場合は、消費者庁による助言・指導や勧告等が中心でしたが、改正後はそれに加えて、勧告に従わない場合の命令や、命令違反に対する刑事罰(30万円以下の罰金)が新設され、制度整備の実効性が強く担保されます。
なお、従業員300人以下の企業などでは、従事者の指定は引き続き努力義務とされています。
■2. 通報妨害・通報者探索の禁止
事業者が従業員に対して「公益通報はしない」といった誓約書を書かせるなど、正当な理由なく通報を抑え込む行為は禁止されます。さらに、こうした行為に基づいて取り交わされた合意等は無効とされます。 また、「通報したのは誰か」など、正当な理由のない通報者の特定行為も禁止されます。
■3. 解雇・懲戒などの抑止と救済の強化
従来は、通報後に解雇や懲戒処分を受けた場合でも、それが通報を理由とする不利益取扱いであることを通報者側が立証しなければならず、大きな負担でした。
改正後は、通報後1年以内に行われた解雇・懲戒は、通報を理由として行われたものと推定されるようになり、通報者の救済が大幅に強化されます。
さらに、通報を理由に解雇・懲戒を行った行為者には6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金、企業には3,000万円以下の罰金が科され、抑止力も高まります。
■4. 通報者の範囲拡大(フリーランスを追加)
改正前の保護対象は、従業員(正社員・派遣・アルバイト等)、役員、退職者でしたが、改正により新たにフリーランスが加わります。 現に業務委託関係にあるフリーランスだけでなく、契約終了後1年以内のフリーランスも保護対象となり、より幅広い立場の人が通報できるようになります。

3.対象となる通報内容

公益通報として保護の対象になるのは、単なる社内ルール違反や「感じの悪い対応」といったレベルではなく、「国民の生命・身体・財産などの利益の保護」に関わる法律違反に該当する行為です。具体的には、約500の法律で定められた犯罪行為、過料の対象行為、または刑罰・過料につながる行為であることが求められます。

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対象となる通報内容(一例)
・会社資金の横領、背任などの不正経理
・虚偽申告や損害額の水増しによる保険金の不正請求
・取引先・委託先に対する性犯罪など重大な人権侵害
・安全基準を超える有害物質を含む食品の販売
・残業代不払いや労災隠しなどの労働関係法令違反
・産地表示の偽装など景品表示・食品表示に関わる違反

■通報先はどこ?
公益通報者保護法が想定する通報先は、社内だけではありません。通報先に「優先順位」があるわけではなく、通報者は基本的に自由に通報先を選べます。ただし、どこに通報するかによって、法律で保護されるための条件(要件)が異なる点には注意が必要です。

[勤め先への通報(内部通報窓口・上司など)]
社内への通報は、「真実相当性」があるモノだけでなく、「不正があると思われる」「不正が起きようとしていると思われる」段階でも通報できます。
社内での是正を促しやすい一方、通報者としては「身元が漏れないか」など運用面の安心感が不可欠です。
[行政機関への通報(監督官庁・所管行政など)]
行政への通報で保護されるためには、証拠や信用性の高い目撃情報があるなど、「真実相当性」があり、不正が起きている(または起きようとしている)事実が必要であり、かつ、氏名や内容を記載した書面(電磁的記録を含む)を提出しなくてはいけません。
[報道機関等への通報(報道、外部機関など)]
報道機関などへの通報は、社会的影響が大きくなりやすいため、一般に要件がより厳格になります。真実相当性があることに加え、次のような事情が求められます。
・勤め先へ通報すると解雇など重大な不利益を受けるおそれがある
・組織ぐるみで不正が行われ、証拠隠滅の可能性が高いなど

4.内部通報制度の整備を進めるにあたり

内部通報制度を新たに整備する場合は、「窓口を作る」だけで終わらせず、通報を受けた後に適切に調査、是正できる体制までを含めて設計することが重要です。
消費者庁では企業向けに「内部通報制度導入支援キット」を公開しています。規程や通報受付票のひな形、従事者向けの研修動画などが用意されており、初めて整備する企業でも導入を進めやすくなっています。
また、公益通報者保護法の解釈や制度運用に関する疑問について相談できる電話相談窓口も設けられており、制度設計で迷う場合は活用するとよいでしょう。

5.従業員が声を上げやすい環境づくり

内部通報制度は、企業不正や不祥事の芽を早い段階でつかみ、被害の拡大を防ぐための「最後の安全装置」です。適切に機能すれば、企業の信用と従業員の働く環境を守り、結果として取引先や消費者からの信頼を高めることにもなります。
しかし、制度があっても、窓口の存在が十分に知られていなかったり、「通報したら不利益を受けるのでは」という不安があれば、実際には使われません。今回の法改正を機に、周知や研修、守秘の徹底、調査・是正の進め方など運用面を改めて点検し、「声を上げても大丈夫」と感じられる環境づくりを進める必要があります。それが、不正を未然に防ぎ、組織を強くする最も確かな一歩に繋がることでしょう。


■参考資料

[政府広報オンライン]

「公益通報者保護法が改正。「内部通報制度」で不正をストップ!」

[消費者庁]

「公益通報者保護法と制度の概要」
「はじめての公益通報者保護法」
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