Management Column家族と自分を守るために。知っておきたい災害時の行動

地震は、私たちの日常のすぐ隣に潜んでいます。穏やかな日が明日も続くとは限らず、いつ、どこで巨大な揺れに見舞われるかは誰にも予測できません。
だからこそ「いつ起きるかわからない」という不安を恐れるだけで終わらせず、日頃の備えが大切です。
家具の転倒防止や非常持出品の確認といった目に見える準備はもちろんのこと、「揺れたらどう行動するか」「避難先での配慮」を知識として身に着け、落ち着いて行動できるよう「防災の心構え」をひとり一人が持っておきたいものです。
本コラムでは、今日から始められる命を守るための災害時の心がけについてご紹介します。
1.日本で起こり得る大規模地震とは
政府広報の「防災・災害ポータル」では、3つ地震の特徴をまとめています。
- ■1:千島海溝地震、日本海溝地震
- 太平洋プレートが日本列島の下に沈み込む海溝で発生する大規模地震です。択捉島沖から十勝沖にかけてを千島海溝、青森県東方沖から房総沖にかけてを日本海溝と呼びます。
- ■2:首都直下地震
- 東京圏およびその周辺地域における、プレート境界または陸側のプレート内部を震源とする大規模な地震です。
- ■2:南海トラフ地震
- 太平洋プレートが日本列島の下に沈み込む海溝で発生する大規模地震です。択捉島沖から十勝沖にかけてを千島海溝、青森県東方沖から房総沖にかけてを日本海溝と呼びます。
2.地震から身を守る行動
地震や津波は前触れなく襲ってきます。気象庁は大きな被害を防ぐため、強い揺れに備える「緊急地震速報」や、津波の来襲を知らせる「津波警報」等を発信しています。
■緊急地震速報とは?
地震発生直後に震源近くの地震計で観測したデータを解析し、激しい揺れが到達する前に防災行政無線、テレビ、ラジオ、スマートフォンの「緊急速メール」、専用受信端末などで知らせる警報です。
- ■発表基準
-
・最大震度5弱以上または、長周期地震動階級3以上が予想される場合
・震度4以上または 長周期地震動階級3以上が予想される地域に対して発表 - ■活用上の注意点・限界
-
・発表から強い揺れまでは「数秒〜数十秒」程度しかない。
・震源に近い場所では速報が間に合わない場合や、予測に誤差が生じることがあるため、限界を理解して適切に活用する必要があります。
■緊急地震速報を見聞きしたときにとるべき行動
地震による被害には、津波をはじめ、建物倒壊、火災の発生、土砂崩れ、液状化現象などがあります。地震の揺れを感じた場合、あるいは緊急地震速報を見聞きした場合は周囲の状況に応じて、速やかに慌てず、まず身の安全を確保することが基本です。
| 家庭(屋内) |
・頭を保護し、大きな家具から離れて丈夫な机の下に隠れます。 ・慌てて外へ飛び出さない。 ・火の始末は無理をせず、近くにいる時のみ消火。扉を開けて避難路を確保します。 |
|---|---|
| 集客施設 (店舗など) |
・係員、従業員の指示に従い、指示がない場合はその場で頭を保護します。 ・吊り下げ照明の下から退避し、出口・階段へ殺到しない。 |
| エレベーター | ・最寄りの階で停止させ、すぐに降ります。 |
| 屋外 |
・ブロック塀、自動販売機の倒壊。ビルの壁、看板、ガラスの落下に注意し離れます。 ・山やがけ付近では落石、がけ崩れから避難します。 |
| 乗り物 |
[鉄道・バス] つり革や手すりにしっかりつかまる。 [自動車] 慌てて急ブレーキをかけず緩やかに減速し、ハザードランプを点灯して道路の左側に停止します。 |
■「津波警報」等とは?
気象庁が地震発生時に津波災害が予想される場合、予想される高さに応じて発表します。
- ■情報の分類
-
[大津波警報] 予想される高さ:3m超(巨大な津波)
[津波警報] 予想される高さ:1m超〜3m以下
[津波注意報] 予想される高さ:0.2m〜1m - ■津波フラッグ
- 海水浴場などで波の音や風によりサイレンが聞こえにくい場合、赤と白の格子柄の旗(津波フラッグ)を振って津波警報等の発令を視覚的に伝えます。
■津波から身を守るための行動
津波が来るのを見てから避難を始めるころには間に合いません。津波から身を守るためには、大津波警報、津波警報が発表されたら、すぐに避難を始めることが重要です。
- ■「遠く」より「高く」へ避難
- 海岸付近や河口近くにいるときに強い揺れや弱くても長い揺れを感じた場合、また津波警報等が出された場合は、すぐに海から離れ、高台や津波避難ビルなど安全な高い場所へ急いで避難します。
- ■津波は繰り返し襲ってくる
- 津波は1波だけでなく、2波・3波と後からより高い波が来ることがあります。警報や注意報が解除されるまで絶対に海岸や河川に近づかず、安全な場所に留まります。
3.避難所生活になった場合
いつ起きるかわからない災害により、明日にも避難所生活を送る可能性があります。不安やストレスが募る環境だからこそ、安心して過ごすために、お互いが配慮し合える心の備えを日頃から持っておくことが大切です。
■避難所でのルールとマナー
| 基本姿勢・配慮 | 他人の居住スペースへの立ち入り、のぞき、大きな声での会話、決められた場所以外での喫煙などを控えます。また、お互いの助け合いや要配慮者への配慮を行います。 |
|---|---|
| 生活環境と プライバシー |
・衛生管理(土足禁止ラインの明示、感染症・食中毒予防の手洗い・消毒) ・テントやパーティション設置によるプライバシー確保。 ・消灯時間の調整や耳栓・アイマスクの活用などによる睡眠環境の確保。 ・暑さ・寒さ対策(エアコン・ストーブ設置、段ボールやマットの活用など) |
| 防犯・貴重品管理 | 出入り管理や見回りの実施。 貴重品は必ず身につけるほか、性暴力や盗難、リフォーム詐欺等への警戒を高める。 |
| 物資の配布 | 順番を守り、並ぶことが難しい要配慮者へ配慮・手助けを行う。 |
■避難所での女性の視点
女性用品は女性担当者からの配布や常備で配慮し、更衣室や授乳室でプライバシーを確保します。性暴力対策として見回りや相談窓口を設置し、運営には女性の意見を反映させて多様なニーズに対応します。
■要配慮者への配慮
妊産婦には専用授乳スペースや食事・情報を提供します。視覚障害者には正面から声をかけ、聴覚障害者には口元を見せる筆談などで伝え、車椅子移動は安全に行うなど、個々の特性に応じた適切な手助けを行います。
■こどものケア
家族と一緒に過ごさせ、悲惨な情景や部外者から守り安全を確保します。目線を合わせて優しく話し、年齢に応じた遊びや生活リズムを守ることで精神的な安定を図り、こどもを支える保護者も支援します。
■保険証がなくても受診可能
紛失や家に残してきた場合でも、以下の情報を医療機関に伝えれば保険受診ができます。
- ・氏名、生年月日、連絡先
- ・加入保険の情報(会社名、住所、国民健康保険組合名など)
■参考資料
【防災特集】政府広報 防災・災害ポータル:政府広報オンライン【防災特集】ACTION04 避難所での生活ルール政府広報オンライン
「緊急地震速報」と「津波警報」等 いざそのとき、身を守るために!:政府広報オンライン
災害に遭ったとき 生活での心がけ:政府広報オンライン
さまざまな災害を知ろう 地震では、どのような災害が起こるのか:首相官邸
