4-1 月次決算処理のポイント
4-2 月次決算処理の確認
4-3 貸借対照表残高の確認
4-4 損益計算書科目チェック
4-5 営業外収益・費用のチェック
1   月次決算の目的

月次決算とは、帳簿処理により、収益と費用の計上を正確に行い、経過勘定を適正な期間配分に従って、月次試算表を毎月作成する決算のことをいいます。月次決算の目的は次の通りです。
@  黒字、赤字の要因を勘定科目により、その状況を明確に把握することで、問題点の発見や改善に迅速に対応できる。
A  経営計画書と比較することで、達成度把握、異常値の確認ができる。
B  毎月の帳簿整理により、経理処理の誤りを早期に発見でき、決算の手続きが容易になる。
C  資金、利益、投資等の予測計算が容易になる。
D  金融機関等から資料の提出を求められても直ぐに対応できる。


2   月次決算の平準化

@  賞与、減価償却費など毎期固定的に発生する費用は、年額をあらかじめ見積り、等分して月次決算に計上する。
A  実地棚卸を行い月次の在庫を計上する。棚卸品の受払記録から期末棚卸高を計算し計上する。しかしながら受払記録も作成していない場合は、見積粗利益から逆算し棚卸高を計上する。
B  経過勘定経費(長期火災保険料、保証料等)を計上する。
C  未払費用(月末銀行休日の場合の社会保険料や電話料等)を計上する。


3   月次決算留意ポイント

月次決算は、経営に生かすために、「正確さよりスピードを優先」し、翌月10日前後までに完成できるようにします。
@  その日のうちに処理する。
A  現金は日々照合する。
B  当座預金や普通預金もこまめに記帳する。
C  経過勘定(仮払金・仮受金等)はできるだけ使わず、迅速に整理する。
D  残高内訳を補助科目コードで管理する。(預金、保険未収金、買掛金、借入金、預り金等)
E  消費税のチェック(課税・非課税・課税対象外の区分)。
F  月割経費(賞与・減価償却費)見積計上する。
G  請求が遅れる場合、見積計上する。
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