会計事務所では、パソコンとインターネットの活用が必須の時代です。今回は、会計事務所でのパソコンやインターネットに関係する話題をいくつかご紹介します。

ITは本来の税務業務とは関係のない業務ですが、業務を進めるためにも、クライアントの情報を守るためにも、会計事務所で必要な業務の1つです。会計ソフト会社が中心となって、会計事務所のIT関係をサポートしてくれるサービスもありますが、まかせきりにするのではなく、税理士や担当者自らしっかりと情報収集を行い、管理していくようにしましょう。

会計業務に必須！Windowsのバージョンアップ

ひと昔前は、会計事務所でパソコンと言えば「会計専用機」を使っている事務所も多かったのですが、Windowsパソコンの普及と共に、汎用で使うことができるWindowsパソコンに組み込む形で、会計ソフトが進化してきました。今では、クラウド型の会計ソフトが普及し、Windowsパソコンに限らず、どの端末からでも会計業務を行うことが可能です。国税庁でも、確定申告はe-TAXソフトにかわり、確定申告コーナーからブラウザで申告できるようになりました。

Windowsパソコンで注意したいのが、Windowsのバージョンです。令和2年1月14日に、Windows7のサポートが終了したことはご存じでしょうか？サポート終了後は、Windows7に新たな脆弱性が発見されても、更新プログラムが提供されないため、コンピューターウイルスへの感染等のリスクが高くなります。国税庁の確定申告特集でもお知らせがありますので、パソコンの利用環境とあわせて確認してみてください。

会計事務所内のパソコンは目につきやすいですが、申告に使わない持ち運び用のノートパソコンや自宅で使っているパソコンも要チェックです。

国税庁　令和元年分　確定申告特集　国税庁からのお知らせ

会計業務がしやすいパソコン周辺環境

効率的な会計業務を行うためには、パソコン周辺環境の整備がかかせません。少し工夫するだけで、業務効率がアップするパソコン周辺環境をご紹介します。少しの出費で効率がアップし、ストレスが軽減するので、ぜひ検討してみてください。

モニターをデュアルディスプレイにする

会計事務所では、前の入力内容を確認しながら、会計入力業務を行うことが多いです。モニターが1つだと、前の入力を印刷して確認しながら入力したり、画面を切り替えて確認しながら入力するという手間がかかってしまいます。モニターを2つにしてデュアルディスプレイにすれば、入力作業の効率がアップします。一度、デュアルディスプレイを経験すると、もうモニターが2つでないと業務ができないと思うほど便利です。印刷しないで、モニターを見ながら素早く入力できるようになるため、紙やインクの節約も可能となります。

使いやすいワイヤレスキーボードとマウス

会計事務所では、長時間のパソコンでの作業が必要となります。なるべく使いやすいキーボードやマウスで、快適な作業環境を作りたいものです。キーボードやマウスは、個人の好みもありますが、それほど高いものではありません。使いづらいと感じている人が多い場合には、買い替えるのも1つの方法です。また、キーボードやマウスを買い替えるのであれば、ワイヤレスがおすすめです。机に資料を広げたいときや掃除をしたいときに、手軽に移動可能だからです。ただし、ワイヤレスのものは電池式ですので、電池切れをおこしたときのために、予備の電池を常備しておくようにしましょう。

会計事務所でのパスワード管理

ビジネスでもプライベートでも、パソコンやスマホが必須となり、IDとパスワードが多用されています。会計事務所では、複数人でパスワードを使用することもあるため、わかりやすいパスワードに統一し、何年も変更していないケースも多くみられます。

ご存じのように、パスワードは同じものを使用しないで、定期的に変更を行っていくことが望ましいのですが、なかなか実行できないのが現実です。しかし、会計事務所での情報管理は、クライアントの信頼にかかわる重要事項です。他の会計事務所では、パスワード管理をどのように行っているのか、実際に行われている方法をご紹介するので参考にしてください。

• パスワードの最初か最後を「2020」「02」等、その年の数字にし、1年に1度、日を決めて変更する
• 定期的にパスワードを変更する日を決め、パスワードの最初と最後を入れ替える
• パスワード管理ソフトを導入し、パスワード管理ソフトのIDとパスワードだけ覚える
• IDとパスワードをマニュアルやメモに記載し、担当者だけが見ることができるようにする
• 銀行や大手監査法人等では、ワンタイムパスワードサービスを利用しているところもある

Yahoo!ジャパンでは、4年以上未ログインのIDを、2020年2月から、順次、利用停止することを発表しています。Web上のサービスの中には、無料で便利なものがたくさんありますが、不正に利用されていないか確認するためにも、定期的にログインすることをおすすめします。