2-1 仕訳の基礎を理解する
2-2 現金の入出金:具体的な処理事例
2-3 預金の入出金:具体的な処理事例
2-4 保険請求および仕入の処理事例
2-5 給与支給の処理事例
2-6 固定資産購入時の処理事例
2-7 減価償却費の処理事例
2-8 賞与引当金の処理事例
2-9 保険積立金の処理事例
2-10 前払費用の処理事例
2-11 仮払金の処理事例
2-12 医療特有の処理事例
病医院において、土地の購入、建物の増築、内部造作、医療器械、車両運搬具の購入といった固定資産の購入時に発生する処理です。

1   固定資産取得時の処理ポイント

@ 取得価額の算出、付随費用の処理(見積書、契約書の確認)
A 事業の用に供した日での処理
B 現金購入時、借入購入時での処理
C 減価償却費計上額の算出
D 資産の入替、売買時での処理


2   固定資産取得時の処理事例

事例1
クリニックの電気配線、空調、冷暖房設備工事を実施、電気配線工事50万円、冷暖房工事70万円を振込にて支払。

借   方 貸   方 摘   要
建物付属設備120万円 普通預金120万円 建物付属設備

事例2
分医院開設に伴い土地を購入、戸建の診療所を建設、同時に医療器械も購入。
銀行借入で資金調達、付随費用は預金より支払。
土  地:3,000万円  建  物:5,000万円  医療器械:1,000万円
付随費用:仲介手数料(土地)150万円、登記料(土地)80万、(建物)20万

処理仕訳
借   方 貸   方 摘   要
土地3,000万円 長期借入金3,000万円 土地購入
土地150万円 普通預金150万円 仲介手数料
土地80万円 普通預金80万円 土地登記料
建物5,000万円 長期借入金5,000万円 診療所建物
建物20万円 普通預金20万円 建物登記料
医療器械1,000万円 長期借入金1,000万円 医療器械購入
注:土地登記料は取得価額に算入しないことが出来ます。

事例3
車両の買替を実施、詳細は以下の通り。
@ 現在所有車両:期首簿価 150万円
A 下取価額:100万円(新車購入分と相殺)
B 新規購入車両:総額230万円(内付属備品10万円)
C 頭金 30万(その他はローンを組む)

処理仕訳
借   方 貸   方 摘   要
未収入金100万円 車両運搬具100万円 車両売却
車両売却損50万円 車両運搬具50万円 車両売却
車両運搬具100万円 未収入金100万円 新規購入車両
車両運搬具30万円 現  金30万円 新規購入車両 頭金
車両運搬具100万円 長期借入金100万円 車両購入借入
注:付属備品は取得価額に含めますので、仕訳は発生いたしません。

減価償却費計上処理(月次処理)
借   方 貸   方 摘   要
減価償却費61,100円 減価償却累計額61,100円 車両運搬具減価償却

減価償却費計上処理(決算時)
借   方 貸   方 摘   要
減価償却累計額733,200円 車両運搬具733,200円 減価償却費累計額振替
減価償却費500円 車両運搬具500円 車両運搬具減価償却費


注1:車両運搬具の耐用年数 6年、償却率(定率法) 0.319
注2:年償却額 2,300,000円×0.319=733,700円

注3:H19年4月以降 償却率が変更になっています。
   H19年4月以降の取得の場合
   年償却額 2,300,000円×0.417=959,100円

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